UnderWater

海のなかの世界を少しだけお届けします。
#2 ゼブラガニ Zebrida adamsii
南方の暖かい海で潜っていると、ラッパウニというウニをよく見かけます。表面にラッパ状の叉棘を持った棘の短いウニで、毒を持ち危険生物として知られています(一説には食べれば美味しいという人も…)。もし見かけたらそーっと下をのぞいてみましょう。ゼブラガニという小さなカニを見つけることができるかもしれません(右写真)。
このカニは1cmほどの小さなカニで、その名前の通り白と褐色のゼブラ模様になっています。ラッパウニに乗っていると、うまく擬態できているのがわかります(下写真:ウニの裏側とゼブラガニ)。ウニの棘を刈り込んで自分の隠れる隙間を作ってその中に入っていることが多いです。
ゼブラガニは、ウニに単独で寄生しています。その為繁殖期になると雌カニと出会うために雄カニは、ウニを頻繁に乗り換えて雌を探します。雄カニはウニを操作して雌のいるウニに近づき、乗り換えます。こうして雄と雌は出会い、交尾(下写真:
左が雌、右が雄)します。
 雄と雌は出会うとすぐに抱き合い、脚を絡めてしっかりとお互いをつかみます。この交尾は5分以上つづき、どんなに揺すっても交尾をやめることはありません。交尾が終わると雄はすぐに他のウニへと乗り移って、新しい出会いを探しに行きます。
広い海のなかで、配偶相手とより効率的に出会うために雄はウニを操作しています。あたりが暗くなって捕食者から見つかりにくくなると、雄カニはウニの上にでてきて、ウニの棘をつかみ”グリグリ”と動かしウニを刺激します。するとウニは何かにつつかれていると勘違い?して刺激されているところを後ろにして進みます。カニが寄生していないウニや雌が寄生しているウニと比べて2倍以上の距離を一晩で進みます。また、雄は雌のいる方向を認識して、雌に近づくようにウニを操作しています。どのような信号が雌からでているのかわかりませんが、たぶん臭いのようなものだろうと考えられています。
 
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